「僕らはみんな生きている 生きているから嬉しいんだ」《明日好き言葉》

おすすめ本紹介

こんにちは、満福寺の住職・認定こども園『六満こども園」で保育教諭(今は六満こどもの家の園長)を15年間しています「しゅうちゃん」です。

今回の【明日が大好きになる言葉】ですが、

子ども達に大人気の絵本「アンパンマン」の作家である「やなせたかしさん」が作詞をされた「手のひらを太陽に」の歌詞である。

「僕らはみんな生きている 生きているから笑うんだ
 僕らはみんな生きている 生きているから嬉しいんだ 
 手のひらを太陽に すかしてみれば・・・・」

から引用させていただきました。

ボクと、正義と、アンパンマン」には、この他にもアンパンマンに思いを込めてメッセージを送り続けた「やなせさん」が人の優しさ、心の痛み、生き方を綴った心温まるエッセイ集となっています。

この記事に興味を持たれたら、この本を手に取って御一読していただけると嬉しいです。

「手のひらを太陽に」が出来たきっかけ・・

「『手のひらを太陽に』つなごう心と心」プロジェクト

この歌詞を書きはじめた当時、「やなせさん」は、どうしても自分がしている仕事が好きになれず、ひどい鬱の状態になってしまい、生きがいを感じられず、暗い部屋に閉じこもっていたそうです。

そんな中、ある冬の日に、かじかむ冷たい手を電気スタンドの電球にかざして温めていたら、手のひらを流れる真っ赤な血が透けて見えたことから、

「こんなに真っ赤な血が元気に流れているのに、僕はまだ死んではいけない」と思ったそうです。

自分は今こんなに絶望しているのに、血はせっせと赤く熱く流れていることに気が付き、

「・・あ。こんな僕でも、生きているんだ。」と、

それからは世間の流行りに合わせた漫画をかくのをやめて、たとえ収入が少なくても自分が本当に好きだと思える、子どもにとって精神的な栄養になる素敵な絵本をかくことを決めて、

ここから「ぼくらはみんな生きている」「手のひらを太陽にすかしてみれば」の歌詞ができたそうです。

この「手のひらを太陽に」の1番の歌詞では「かなしいんだ」、2番の歌詞では「うれしいんだ」となっているのは、「やなせさん」が若くでお父さんを亡くされたり、弟さんを戦争で亡くされたり、仕事でも上手くいかず悩むことが多かった、波乱万丈の人生観が表れているように思います。

「四苦八苦」という教え

仏教の教えには『四苦八苦』という教えがあります。

これは、お釈迦様がお悟りを開かれ一番最初にお弟子さまに説かれたもので、「この世の中は思い通りにいかないものであり、苦しみに満ちあふれている」と説明されました。

《四苦八苦(しくはっく)》とは?

肉体的な苦しみを四苦(生・老・病・死)があります。
・生苦(しょうく)・・・・・・この世に生まれることの苦しみ。
・老苦(ろうく)・・・・・・・老いていくことの苦しみ。
・病苦(びょうく)・・・・・・ 様々な病気になってしまう苦しみ。
・死苦(しく)・・・・・・・・誰もがいつかは死んでしまうという苦しみ。

これらの根本的な四つの苦に加え、精神的な苦しみである。


・愛別離苦(あいべつりく)・・親・兄弟・妻子など愛する者と生別・死別しないといけない苦しみ。いつかは必ず愛する者と別離するということ。
・怨憎会苦(おんぞうえく)・・どんなに避けようとしても、苦手な人や嫌いな人と出会ってしまう苦しみ。
・求不得苦(ぐふとくく)・・・「隣の芝生は青く見える」という言葉があるように、「あの人は幸せそう」と思ったり、自分が欲しいと思う物が思うように得られない苦しみ。
・五蘊盛苦(ごうんじょうく)・これらの思い通りにならないことすべてが苦しみの原因だということ。

以上の四苦を足して『四苦八苦』と呼びます。

最初はこの世に生まれてくる苦しみから始まり、老いる苦しみ、病気になる苦しみ、最後には誰もが死んでしまうという肉体的な苦しみがあります。

そして、人は一人では生きていけません。

生れる場所も誰にも決めることは出来ず、自分の思うように生きていくことはとても難しく、

その中で、人と関わっていく中で人間関係や家族での関係など様々な思い通りにならない苦しみに悩まされるのです。

生きるということ

人は誰しも、この悲しみや苦しみを遠ざけて生きていたいものですが、生まれ生きるということは、もはやすでに悲しいことや苦しいことも含んでいるということなのです。 

しかし、その悲しみや苦しみさえも、生ある人間でしか教授しえない喜びであると、「やなせさん」は考えているのではないでしょうか。

あるいは、「悲しみや苦しみの後には必ず喜びがやってくるんだよ」という、メッセージがこの歌詞には込められているのだと私は思います。

あなたの命は生かされている命なのだから、たった一度きりのあなたの人生、人を喜ばせて生きてみるべきです。

そうすれば今日一日を生きることが嬉しくなり、楽しくなり幸せの一歩を踏み出せるのだと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました