こんにちは。満福寺の住職、保育園の園長をしています。しゅうちゃんです。
今回は井上達彦さんの著書である『ゼロからつくるビジネスモデル』の中にスナックのママから学ぶビジネスモデルという面白い内容があったので、それについて解説していきたいと思います。
人手不足、低賃金、長時間労働……など、様々な業種で「ブラック化」が問題となっています。
特に外食業界では苦戦を強いられている状況で、「スナック」は最強の飲食店と呼ばれています。なぜスナックのビジネスモデルが優れているのでしょうか?
この本は、ビジネスを立ち上げる際に役立つ手法や考え方がたくさん詰まったしゅうちゃんオススメの一冊になります。
この本の中身を簡単に説明すると、アイデアを具体的なビジネスに落とし込む方法や、顧客ニーズを理解し、価値を提供する方法、収益モデルの構築など、ビジネスモデルを構築するためのステップを分かりやすく丁寧に解説している本になります。
あなたが何かビジネスを始める際に役立つ具体的な手順や考え方も紹介されてるので、今回の記事を最後までご覧いただいて興味を持たれたら手に取ってもらえると、あなたの人生がガラッと変わってしまうかもしれません。
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こちらをクリックしていただくと「ゼロからつくるビジネスモデル」を購入できます。国内最強の動画配信サービスとは?
今や動画配信サービスが身近になって10年以上が経ちます。
私たちはコロナ禍の中で、外出自粛要請期間中における自宅での過ごし方が「映画や動画を見ること」が上位にランクインするようになりました。また、ビジネスではオンラインセミナーやオンラインイベントが増え、コロナ禍前よりも動画を視聴する機会が圧倒的に増えたと感じている人は多いと思います。
そして、その数ある動画配信サービスの中でも最も利用者が多い、国内最強の動画配信といえばやはりYouTubeになると思います。全世界での登録者数は10億人を超え、国内の利用者ランキングでも1位に輝いています。
では、動画配信サービスの中で最も収益が高いのはどこだと思いますか?
国内に限って言えば、それはYouTubeではなく「ショールーム」という動画配信サービスになります(2018年時点)。
この秘密を解く鍵は「ギフティング」にあります。
「ギフティング」とは?
皆さんは街中で路上ライブをしている人を見て、ギターケースに投げ銭をして応援したことないでしょうか。又は、あなたが演者として投げ銭をしてもらって応援してもらった経験はないでしょうか?
「ショールーム」の創業者ある。前田雄二(まえだゆうじ)さんはご両親を亡くされ、小学生の頃から路上ライブでお金を稼いだ経験がありました。
「投げ銭モデル」をネット世界に持ち込めば、これまでとは違った稼ぎができると考えた前田さんは、リスナーに仮想のギフトアイテムを買ってもらうことで、ネット上での路上ライブが実現することを思いつきました。
しかし、動画配信サービスでは、このような課金は一般的ではなく、YouTubeのような広告収入やNetflixのように月額利用料を徴収するのが普通でした。
いずれのサービスも利用者が増えれば増えるほど収益が上がるので、サービスの知名度を上げて利用者を増やす必要があります。
しかし、もし利用者が少なくても、一人当たりの単価を上げることができれば、収益を伸ばすことが可能になります。
『収益=単価×課金者数』における単価を増やすことで。利用者が少なくても収益を伸ばすことが可能になるのです。
ショールームで言えば、一人当たりの「ギフティング」を大幅に増やすということになります。もちろん「ギフティング」の金額を増やすのは簡単なことではありません。
特にショールームのようにライブ配信を無料で視聴できるとすれば、よほどのインセンティブがなければ仮想ギフトを購入して、それを演者に「ギフティング」しようとは思わないはずです。
一体どのようにすれば「ギフティング」を促し、収益を伸ばすことができるのでしょうか?
その鍵は「演者とリスナーとの関係の深さ」になります。両者を深い絆で結ぶことができればリスナーが「ギフティング」をしてくれます。
前田さんはその深い関係を築くために意外なお手本を見つけて参考にしました。
それが『町はずれにあるスナック』です。
スナックのママから学ぶ5つのビジネスモデル
スナックのオーナーであるママはいかにして常連客との間に絆を作り上げているのか、前田さんはその原理を以下の5つに集約しています。
【スナックのママから学ぶ5つのビジネスモデル】
- 余白
- 常連客
- 共通言語
- 仮想敵
- 共通目的
余白
まずスナックにおける余白とは、オーナーであるママの未完成感のことです。
ママは特別美人と言うわけではないし、どこか頼りない部分もある。決して完璧な女性とは言えません。ですが、その未完成な感じが逆にお客の共感を誘い、「僕がお店に通わなくては」という気持ちにさせます。
常連客
ママの未完成感に共感し「僕がお店に通わなくては」という気持ちを抱いたお客は、しだいに長年通う常連客となり、お店を自分の居場所と感じるようになっていきます。
こういった常連客とママの信頼関係が簡単には消滅しない人と人とのつながりを生み出すのです。
共通言語
よく顔を合わせるようになった常連客の間には、自然に共通言語や共通ルールができてきます。
例えば、このお店では1杯目には必ずハイボールを頼まなくてはいけないなどといった共通ルールがあることで、コミュニティー内の一体感が高まります。
仮想敵
仮想敵とはママと常連客にとって、他のライバル店、そしてママを責めるようなお客はいずれも仮想敵という存在になります。
このような共通の敵は常連客の結束力をさらに高めていきます。
共通目的
共通目的とは、ママのライバル店に勝ちたいなどといった目標は、常連客達にとっての共通目的になります。同じベクトルを持つことでコミュニティーも深まります。
前田さんはこれら5つの原理をネット上のライブ配信サービスに次のように対応させてショールームを作り上げていきました。
「ショールーム」の仕組み作り
ショールームの仕組み作りにおいて重要な打ち手となったのが、
- 素人演者の支援。
- リスナーの可視化
- 競争の創出
以上の3つになります。順番に仕組み作りについて説明していきます。
素人演者の支援
ショールームにおける「余白」とは?
素人演者の未完成さです。そして、その余白を最大限に生かすべく、素人の演者をサポートするための工夫がショールームにはなされています。
その例が、初配信者欄で、ここは初めて配信する素人演者をまとめて表示するスペースです。
他の動画サービスでは、人気の動画が上位に表示され、知名度がない素人演者の配信は下位においやられてしまいます。
これでは素人演者が活躍できるチャンスは限られます。そこでショールームは素人演者の配信をわざと目立つように表示し、素人にファンが付きやすい環境を作っているのです。
リスナーの可視化
応援しようという気持ちが生まれたとしても、それが途絶えたのでは意味がありません。
その気持ちを長く持続させていくためには、リスナーと演者とのコミニケーションを促し、なおかつ一体感をもたらすような工夫も必要になってきます。
それが、「リスナーの可視化」です。
ショールームのリスナーは皆、アバターと言う自分自身を模したキャラクターを持っています。アバターによって可視化されることで、演者はリスナーの名前とキャラクターを結びつけて覚えられるようになります。
常連として認められれば、演者から声をかけてもらえるようになります。アバターは着せ替えが可能なので、自分の個性を表現できます。個性はコミュニティーに広がることもあり、一緒に応援する仲間とアバターについてのドレスコードが生まれたりもします。
ある演者の配信はひよこの着ぐるみを着たアバターがたくさん集まり、画面が黄色で覆い尽くされ一体感が生まれたりするそうです。
競争の創出
最後にこうして育ったコミュニティーをさらに盛り上げるための工夫が「競争」を盛り込んだイベントになります。
このイベントは芸能事務所への所属権やテレビ出演権等の報酬をかけて演者同士が競い合うというものがあります。イベントで一位になれれば、演者が夢を叶えたり、スターダムを駆け上がったりできるかもしれません。
勝敗の順位は演者がイベント期間にリスナーからどれだけ「ギフティング」されかによって決まります。
演者たちはもちろん頑張りますし、それを応援しているリスナーたちもここぞとばかりに「ギフティング」を行い、配信者を盛り上げるのです。
他の演者とそれを応援する人たちはいわばライバルです。このような共通な仮想敵ができることで、それぞれのスナックコミュニティーの団結力は高まります。そして、みんなで自分たちの演者を1位にさせてあげたいと言う共通目的も生まれるのです。
なぜショールームはYouTubeよりも圧倒的に利用者数が少ないのに、収益では1位になれるのか。
その答えは、
- 素人演者の支援・初配信者欄
- リスナーの可視化・アバターの採用
- 競争の創出・イベントの開催
これらの3つの打ち手によって、ネット上にスナックコミュニティーを実現したからです。
そして、そこで生まれ、育まれた絆によってファンたちが演者に「ギフティング」をおしまなかったため、ショールームはYouTubeを抑えてトップに上り詰めることができたのです。
「ショールーム」に学ぶ、ビジネスモデル
ショールームのビジネスモデルの特徴をパターン化してみましょう。
あえてその本質を一言で言い表せば、『コミュニティーの強化による単価の向上』です。
顧客の数に頼らずに一人当たりの単価を上げると言うビジネスモデルです。これと同じモデルが現実のアイドル業界でも見い出すことができます。
「AKB48」に学ぶ、ビジネスモデル
それがアイドル概念を180度変えた「AKB48」です。従来のアイドルは憧れの存在であり、ルックスで勝負するのが定番でしたが、AKB48は会える存在としてアイドルを身近にしました。
余白があるからこそファンは自分が応援してあげないとダメだと思います。
そして、彼女たちの成長を間近で感じることで常連客になっていくのです。
さらに、総選挙の実施によりライバルメンバーという仮想敵や総選挙での目標の順位という共通目的によってコミュニティーが強化されていきました。
握手券を求めて、1人のファンが何枚も同じCDを購入するようになり、その結果、AKB48は単価を向上させ、CDが売れない時代に収益を上げることができました。
これまでは「完成されたアイドル」への憧れからCDを始めとしたアイドル関連商品をファンが購入するというビジネスモデルでしたが、AKB48は「未完成のアイドル」をファンが間近で応援しながら夢の実現をサポートしていくという新たなビジネスモデルへの転換を図って大きく成功を収めたのです。
AKB48は今では“国民的アイドル”とも言われていますが、その売上を支えているのは一部の熱狂的なファンなのです。
まとめ
「ゼロからつくるビジネスモデル」を読んでいただくと、ビジネスモデルを構築するためのアプローチ方法をフレームワークや事例を通して学ぶことができます。
間違いなく、僕が読んだビジネス書の中でも1位2位を争うくらいの素晴らしい本だと思います。
あなたの世界観を変えるのは簡単です。この本を読めばいいだけです。
成功するには、とりあえず行動することが大切です。行動しないと何も始まりません。少しでも興味をもってもらったら、この本を読んでもらい自ら行動して素晴らしいビジネスをスタートしてもらえると嬉しいです。
本書の中には、この他に登山用品を手始めとし、キャンプを中心にアウトドア全般に進出して大成功している「スノーピーク」のビジネスモデル。また、「ヤクルト」のビジネスモデルケースや建設機械、林業機械、産業用機械などの事業をグローバルに展開する総合機械メーカーである、「コマツ」のビジネスモデルなど多数、紹介されています。
興味を持たれた方はぜひ「ゼロからつくるビジネスモデル」をご一読いただけると嬉しいです。
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