こんにちは。京都市中京区にある西山浄土宗・満福寺の住職。また、六満こどもの家(夜間保育園)の園長をしています。しゅうじょうです。
僧侶・保育士として働きだした当初は、自分の思うようにいかない毎日で、何に対しても「自分がこういう状況なのは誰かのせいだ」と常に言い訳ばかりのネガティブ人間だった僕でしたが、
様々なご縁のおかげで、ある方にかけてもらった一言がきっかけになり、前向きになれるような考え方が少しずつできるようになれた経験から、
この記事を最後まで読んでくれた『あなた』が、明日が大好きになって今日一日を大切にしたいと思ってもらえるような言葉を日々発信しています。
道に迷えばオモロイ方へ

この言葉は、国内最大級の音声メディア『Voicy(ボイシー)』を運営する緒方健太郎さんが大切にされている座右の銘です。
緒方さんは仕事や人生で迷ったとき、いつも「道に迷えばオモロイ方へ」という言葉を自分に投げかけているそうです。
「一度しかない人生、面白くない生き方をしてしまうと、きっと後悔してしまう。たった一度きりの人生、他の人が経験したことのないような、面白い人生を送りたい」——そんな思いを持ちながら日々を生きているそうです。
思い通りにできなかった子ども時代
現在進行形で面白いことにさまざま挑戦している緒方さんですが、子どもの頃は病気で体が弱く、そのため親の過干渉を受けながら、「自分のしたいことが全然自由にできない」と思いながら生きていたそうです。
ところが、大学時代に病気が治ったことをきっかけに「何かしたい、楽しみたい」という気持ちが強くなり、
大学生だったその当時は、「寝たらアカン」というスローガンを自分に掲げ、日の出とともにテニスをし、日が暮れたらアルバイトに行き、終わってからは夜通し飲み明かすという生活をしたりしていたそうです。
また、貯金した600万円を使い切るまで世界を旅するなど、自分の想像を超えた世界を見たいという思いを持って行動したこともあった。
緒方さんは「苦しい経験を、苦しい経験のまま引きずるのではなく、苦しい経験があったからこそ今の自分がいる。この苦しい経験は逆にチャンスなのかも」と思えるようになると人生を楽しむことができると言っておられます。
緒方さんは、小さい頃に自分の思うように何もできなかったという経験したからこそ、今、命ある限り面白いことをしたいという気持ちが強くなったのかもしれないと思いました。
「自分の人生をより面白くするためには、環境をそこに置かないと何も始まらない」と緒方さんは言っておられます。
環境が変わるのを待つのではなく、自分から違う環境に身を置くことが大切だと感じました。

☝音声メディア『Voicy(ボイシー)』とは、日本発の音声配信メディアで、いわゆるラジオのようなものになります。有名人やインフルエンサー、大手メディア・企業が配信する音声を無料で聴くことができます。
「好きなこと」が仕事になるとは思っていなかった

そんな緒方さんですが、公認会計士として働いていたときは、仕事を面白いと感じることはなかったそうです。
公認会計士という仕事は、さまざまな企業を見る中で緒方さんが「これだ!!」と選んだ職業ではありましたが、それ以上の意味を見出すことはできなかったそうです。
例えば、「チェックシートが10枚あって、10分で最後まできっちり仕上げなさい」と言われたら、周囲の人はみんな、きちんとそれをこなしていたそうです。
一方で緒方さんは、2枚目くらいで挫折し、さらに「2枚合っていたら、あと8枚もだいたい合っているはず・・・」と思ってしまいやる気をなくしてしまい、そして、決められたこととは違うことを書きたくなってしまう・・・そんな毎日だったそうです。
しかし、公認会計士という仕事では、そんな発想は求められない世界だったそうです。
「会計士の仕事は筋トレのようなもので、頑張っても喜ばれない。ただ言われたことをきっちりやるのが仕事なんだ。仕事はあくまで生活するため、生きるための手段であり、面白くないことでも仕方のないこと」なんだと考えていたそうです。
人生を変えた「オモロイ方」への選択

緒方さんの転機は、33歳のときに転職したベンチャー支援の世界にありました。
そんな生き方に疑問を感じながら、公認会計士として働いている中で、ある方から転職の声をかけてもらったことがきっかけになり
「道に迷えばオモロイ方へ」という考えのもと、ベンチャー支援のスタートアップ企業への転職を選びました。
「ロジカルに考えたら、面白くない方へ行ってしまう。将来の不安や課題解決ばかり考えていたら、『自分の人生、幸せだった』とは思えないんじゃないか」と緒方さんは語っています。
スタートアップ企業では、ベンチャー企業の社長を支えるブレインのような仕事をするようになり、自分ならではの意見を出せるようになったそうです。
緒方さんは、スタートアップ支援の中で300社以上の企業を見てきたそうです。
そこでは、事業の課題を指摘し、資金調達の相談に乗り、経営者の背中を押し、折れそうなメンタルに寄り添うなどの多種多様な仕事内容で、「突然、プロ野球のコーチになったようなもの」だったそうでとても忙しい毎日でしたが、緒方さんが支援した企業は驚くほど成長していったそうです。
その中で顧客に「今までで一番良かった。緒方じゃないとダメ」と言われたことが、めちゃくちゃうれしかった。
それまでは、「自分一人が頑張ったところで社会は変わるわけがない」と思っていたが、
「ああ、そうか、社会って実は動かせるんだ、むしろ、サボってなんかいたら社会の成長を止める可能性だってあるんじゃないか」とスタートアップ支援で働くうちに考え方も変わったそうです。
そして、「仕事が面白いって本当にあるんだ」と衝撃を受け、初めて仕事が面白いと感じたそうです。
「スタートアップ企業では、大変なことばかりでしたが、みんな楽しそうに働いていた。このときの体験が自分の原点になったと思いますし、ハッピーな組織作りについても考えさせられました。これが、後の起業にも繋がっています」と言っておられます。
オリジナリティーの大切さ

ベンチャー支援の世界に入って気づいたことは、「オリジナリティーの大切さ」だそうです。
「数学だけで偏差値80を取るのは難しい。でも、数学とけん玉を組み合わせれば、そんなに頑張らなくてもまぁまぁの上位を目指せる。」
例えば、野球で1位を目指すなら大谷翔平と勝負しないといけない。でも、野球をしながらお菓子作りもやるなら、意外と1位を狙えるかもしれない。
みんな、自分が向いていないことをやろうとしがちだけど、何かしら『これは好き』と思えることはあると思う。「好きなことに向き合い、面白いことを考えて行動するだけで、案外うまくいく」と緒方さんは言っています。
「声の世界」への挑戦
Voicyのテーマは「声で、未来を変える」こと。
起業を考えるようになったのは自然な流れだったそうです。スタートアップを数多く見てきた経験から、「誰もやったことのないマーケット」「誰もやっていないソリューション」にこだわることが重要だと直感していたそうです。
音声メディアに着目したのは自身の父がアナウンサーという背景もあったそうですが、「声の世界」は市場としてもガラ空きだということに気がついた。
「情報って目と耳から得ますよね。視覚で言えば、テキストとか写真とか動画はオンライン上にあふれている。一方で、聴覚にフォーカスしたものはほとんどない。みんなが当たり前にやっている『しゃべる』がオンラインで足りていない」。
スケールの大きいビジネスになる予感があったんですね。五感のうちのひとつ、耳の世界を総取りできるんじゃないかと緒方さんは思ったそうです。
そして、2016年2月にエンジニアの友人とともに『Voicy』を立ち上げた。
しかし、当初の反応は冷ややかで、出資の相談をしても「株式の60%を譲るなら考える」と言われる始末だった。
でも、緒方さんは「こういう話はスタートアップ支援のときにもよく聞く話で、『ああ、来たな』という感じだった」と振り返っています。
当初の「ボイシ―」はニュースアプリが主体だった。
新聞社から記事を借り、声のプロがニュースを読み、ちょっとしたひと言を添える。記事がないと人はしゃべれないものと考えていた。だが、ふたを開けるとリアクションが集まったのは「ちょっとしたひと言」のほうだった。
「声のブログはそこから生まれたんです。台本がなくてもいい、動画やテキストのように手間のかかる編集は必要ない。」そのまま流した方がリスナーには喜ばれることを知り、音声には人の温かみがあって距離も近く親近感を持ちやすいことが分かった。
そして、2018年を過ぎる頃からインフルエンサーがこぞって使いはじめ、ボイシーの快進撃が始まった。
隙間時間あらばスマホで検索をする現代人にとって耳からの情報収拾は眼精疲労にも悩まされることのない「ながら聴き」は再発見だった。
コロナ禍により人と話すことが減り、その反動から「声のぬくもり」に関心が向きはじめたこともある。
会員登録者数は22年12月には165万人を突破。当初は難航を極めていた資金調達も累計36億円を超えた。
「耳からのコンテンツは老若男女誰に対しても開かれています。『50歳からのキャリア論』や『中高生に向けたお金や死の話』など扱いたいテーマはまだまだある。まずは聴いてみようと思ってもらうことも、そこからマネタイズすることもハードルは高いですよ。だけど、事業として成り立つところまで持っていかないと僕らの負け。まだまだこれからなんです」
と緒方さんは語っておられます。
どうすれば緒方さんのような考え方ができるようになるのか?
緒方さんは、
「自分の属性に合った仕事を見つけられるのが一番なんですけど、仕事をスポーツのひとつだと思えば見方も変わる」と言っています。
最近では、仕事に関して『働く時間はできるだけ少ない方がいい』といった風潮がありますが、
でも、これがサッカーだったら『ボールを多く蹴ったから損した』なんて言わないと思う。
ろくに練習もせず、試合にだけいきなり出て負けてばかりだったらそれは楽しくない。パフォーマンスを生めるようになるほど良い循環に入ってくるものだとは思う。
もちろん、起業してからは、キツい経験は数え切れないほどあった。
「あと2カ月しか資金が持たない。給料が払えなくなったらどうしよう」と愕然とした日もあったそうです。
事業が成長軌道に乗ったと思いきや社員が立て続けに辞め、右往左往したこともある。そもそも笑顔を作りたくて生み出したサービスにクレームがつくこともある。己の力不足を悩み、コーチングを頼んだり経営者仲間に相談しながらここまでやってこれた。
このような経験の中で、
「メンタルって鍛えられると思うんですよ。もちろん、人間って相手の限界を考えずに期待しがちな面もあるので、ベストを尽くしたらそれ以上は仕方がないと割り切ることも必要」だと。
「でも、多くの人が思い悩む時期ってだいたいベストを尽くし切れていない。今は社会全体のメンタルが弱っていますし、そこを狙ったコンテンツも多くなった。だからこそ、僕らは弱さに逃げ込むのではなく社会を前に進める事業を作っていきたい。ボイシーを聴くことでこんな生き方もあるんだよ、リアルでも頑張っていこうと思えるようなプラットフォームを作りつづけたいです」と緒方さんはこのように語っておられます。
多くの人は向いていないことをやろうとしがちだが、誰しも『これは好き』と思えることがある。それに向き合い、面白いことを考えて行動すれば、案外うまくいくと緒方さんは言われています。
この言葉にはあなたの人生を面白くする秘訣が隠されていると思います。
今日が一番若い日です。あなたの人生はあなたの解釈次第で素晴らしいものに変化していきます。
道に迷ったときこそ「道に迷えばオモロい方へ!」を胸にはじめの一歩を踏み出してみませんか?
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