「してあげる」ではなく「させていただく」幸せになりたいのなら「見返りを求めない心」が大切!!

お寺の話

こんにちは。しゅうちゃんです。

まだまだ暑い日が続きますが、9月になりました。お寺で9月といえばお彼岸です。

お彼岸とは?

お彼岸は日本独自の仏教行事で、ご先祖さまを供養し感謝をささげる精進期間とされています。この期間にはお墓参りや法要などを行い、ご先祖さまに思いを馳せるのが一般的です。お彼岸の始まりは聖徳太子の時代にさかのぼるともいわれており、非常に古くからある風習です。

「彼岸」という言葉は、「paramita(波羅蜜多、パーラミター)」という言葉を漢訳した「到彼岸」を略したものといわれています。「paramita(波羅蜜多、パーラミター)」は、インドで使われている言語のひとつであるサンスクリット語で、仏教用語の「パーラム(彼岸)」「イタ(至る)」の2つが合わさったものです。

「向こう岸(煩悩のない仏さまの世界)」といった意味をもち、その境地へ達するために行う修行や修行期間を意味するともいわれています。

幸せになる方法とは?

どうすれば、苦しみが多いこの世界で幸せな生活を送ることができるのか

それは、仏様が示された六つの実践徳目を毎日、実行することで幸せな人生が送れるというものであります。

しかし、苦しみが多く忙しい生活の中で、六つの実践徳目を毎日、実行することはたやすいことではありません。

この六つの実践徳目とは当満福寺の院号でもある『六度満行』であります。

《六度満行とは》

  1. 布施《ふせ》(他人に親切にする)
  2. 持戒《じかい》(約束を守る)
  3. 忍辱《にんにく》(腹立たしいことがあっても態度に出さない)
  4. 精進《しょうじん》(自分磨きをする)
  5. 禅定《ぜんじょう》(心をしずめる)
  6. 智慧《ちえ》(ご縁を大切にする)

『六度満行』とは 一、布施(他人に親切にする) 二、持戒(約束を守る) 三、忍辱(腹立たしいことがあっても態度に出さない) 四、精進(自分磨きをする) 五、禅定(心をしずめる) 六、智慧(ご縁を大切にする)であります。

このどれでも自分にあったものを一つでも実行すれば、六つすべてを行ったことになり、幸せな人生を手に入れることができると言われています。

布施の心とは

この六つの教えすべて大切ですが、特に一番最初の『布施』の教え、「まず先に相手に功徳を与えることからはじめなさい」という教えが大切だと私は思います。

 仏教では法事のことを「回向」(えこう)と言います。「回向」とは私たちが、今日まで不思議で見えない力によって生かされたことに感謝し、その感謝の気持ちを先にご先祖様に施すことによって、その功徳が何十倍にもなって自分たちのところに返ってくることを言います。

アダム・グラントさんが書かれた【GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代】という書籍にも、「与える人」こそ成功する(幸せになる)と書かれています。

グラントさん曰く、人の思考と行動には、一、与える人(ギバー)。二、受け取る人(テイカー)。三、バランスをとる人(マッチャ―)の三つタイプがあるとされ、成功して幸せになる人の考え方は、与える人(ギバー)だと言っています。

しかし、ただ与えれば幸せになれるという訳ではなく、実は不幸になる人と幸せになる人のどちらも「与える人」(ギバー)が多いとも言っています。

では、幸せになる為には何を与えられる人になればいいのか。それは、「損得で考えない、見返りを求めない心で、他人のために行動できるか」ということが大切になってくるのです。

相手を喜ばせるために目に見えるものを贈ってあげることも大事ですが、大切な人に「ありがとう」、身近な人に「ありがとう」、いつも料理をつくってくれて「ありがとう」と普段当たり前だと思っている、見えないものに感謝することが、お彼岸で『六度満行』を実践する最初の第一歩になるのだと思います。

自分が幸せになりたいと思うのなら、まず自分から行動を起こして周りの人から幸せにしてみてはどうでしょうか。

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