少しずつ涼しくなり過ごしやすくなってきました。皆さまはお変わりありませんか。
京都市中京区にあります満福寺の住職をしています。内海秀乗(うつみ しゅうじょう)です。
満福寺令和大改修工事のクラウドファンディングでは多くの方のおかげにより目標を越える支援額を集めることができました。これも皆さまのおかげです本当にありがとうございました。
キャンプファイヤーでのクラウドファンディング挑戦は終了しましたが、満福寺への直接のご支援や現金書留・銀行振り込みでのご支援は12月31日まで受け付けております。引き続き温かいご支援・応援をしていただけますと嬉しいです。
詳しくは満福寺ホームページ(https://seizan-manpukuji.net/)か公式Instagram【@manpukuji1618】に支援方法を記載していますのでそちちらをご覧ください。
来年の4月の鐘撞堂・山門・庭園の完成を楽しみにしていただけますと幸いです。
やす子さんのチャリティーマラソン挑戦
今回、クラウドファンディングの挑戦中に、24時間テレビでお笑い芸人のやす子さんが全国の児童養護施設の支援募金をするため、チャリティーマラソンによるクラウドファンディングに挑戦されている姿を見て、私も勇気と元気をもらいました。
テレビで見ない日はないくらい忙しい毎日を過ごされている、温厚で優しいオーラが出ているやす子さんですが、お笑い芸人になるまでには壮絶な過去があったそうです。
やす子さんは、2歳の頃に両親が離婚し、シングルマザーとなった母親と過ごすことになりましたが、母親は朝も夜も仕事に行っており、家にいないことが多く、5歳年下の妹と2人で過ごす生活は極度の貧困状態にあったそうです。
学生の頃は学校の水道水をペットボトルに汲んで、物や食器を洗ったり、洗濯をしていたのを恥ずかしくて周りに隠していたことや、
特に、夏休みになると給食がないのでご飯を満足に食べられないのが苦しかったこと、エアコンがなかったので毎日、市立図書館で本をずっと読んでいた話などをインタビューではされています。
また、高校時代にいじめに遭っていたやす子さんは、3年間ほぼトイレでご飯を食べたり、休み時間は図書室で過ごしていたそうです。
やす子さんは家庭環境だけでなく、いじめにも遭ったため今でも人間関係に苦手意識を持っていると話しておられます。
やす子さんは高校卒業後、獣医になりたいという夢がありましたが進路相談の時に先生から児童養護施設に通っていたら100%大学には進学できないと言われ、本当は行きたかった大学進学の夢を諦め、住み込みで働ける安定した生活をするために自衛隊に入隊することを決断したそうです。
『すみません』を『ありがとう』に変えてみる
しかし、このような壮絶な人生を過ごしてきたやす子さんですが、自衛隊に入ったことがきっかけで人生を180度変えてくれる言葉に出会えたそうです。
その言葉とは、『すみませんをありがとうに変えてみる』ということ。
例えば、先輩より先に部屋に入ってしまったときに、つい口ぐせで「すみません」と言ってしまったやす子さんに対して、『「すみません」ではなく「ありがとうございます」と言葉を変えてみるといいよ』とアドバイスをもらったそうです。
それでも癖で、すぐに「すみません」と言ってしまうやす子さんに対して、その先輩自衛官の方は「すみません。先に入らせてもらってありがとうございました」と『最後に「ありがとう」を足したらいいんだよ』と教えてもらったことで自分の世界が少しずつ良いものに変わってきたそうです。
そして、この言葉を先輩自衛官に教えてもらったことで気持ちも少しずつ前向きになり、人との会話も自然とできるようになったそうです。
そして、「『ありがとう』を言えば『ありがとう』が返ってくるように、優しい行いをすれば優しい行いが必ず返ってくるのだということを知れた」とやす子さんは言われています。
この「ありがとう」という言葉は漢字で書くと『有り難う(有ることが難しい)』と書くことができます。
つまり「ありがとう」とは、「今、自分が当たり前にこの世に存在していることだけでもありがたい」ということです。
法然上人様は「教法流布の世に遇う事を得たるはこれよろこびなり。」とおっしゃられ、「私たちが人間に生まれ仏教の教えに出会えること、また仏教の教えを聞けるということはこれ以上に奇跡的で喜ばしいことなんですよ」と教えを説かれました。
「難」が一つもなく、つらいことが全く起きない『無難な人生』が理想かもしれないですが、このような難がない人を探そうと思っても、誰かと比べて無難なだけで、誰もがこれらの「難」を避けて通ることはできないのです。
そして、実はこれらの難が『有る』からこそ、苦しいときに誰かに助けられたり、困難だと思ったことが誰かのおかげで達成できたときに初めて、人は優しくなれ、強くなれ、大きく成長できるのだと思います。
様々な「有る難」を受け、乗り越えることができた時に「有難い」と感謝の心が生まれてくるのです。
まとめ
やす子さんも芸人として人気者になる前は自分にはどうしようもない環境に苦しんだ経験があったからこそ感謝の気持ちを大切にでき、今の大活躍に繋がっているのだと思います。
今回、クラウドファンディングに挑戦させていただき、挑戦するまでには多くの不安と困難がありましたが、その困難のおかげで多くの方との様々なご縁を結ぶことができました。
このご縁を大切にして、満福寺が今以上に「ありがとう」であふれる素敵なお寺になれるように、これからも精進してまいりますので、これからもご支援をよろしくお願いいたします。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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